中ちゃんの久しぶりのスピーカー工作パート2
2009年2月下旬着工

LD-101スーパースワン(バックロード)の製作
 

長岡氏の名作スーパースワン(以下Sスワン)を製作してみよう。
拙いHPにもD-83フラミンゴを紹介しているが、数ある中のピカイチのパフォーマンスモデル

まず、作製に至る経緯
うちの掲示板に関東のM氏から自作スピーカーのサポート依頼が舞い込んだ。
「スワンが欲しい!!自作経験が無いので、
持っているが使っていないスワンがあればを譲って欲しい」

しかもどうしてもスーパースワンに限る・・・・
不幸にも知っている中でスワンを手放しそうな方がいない。やはり作るしかない。

@案マキゾウさんでカット組み立て 費用が跳ね上がる
A案カネコ木工さんでカット組み立て 現在業務しておられず
B案マキゾウさんでカットを購入して
専門家に作ってもらう
細部の説明を求められても対応不可
C案ヤフオクでスワンをゲットする 極上品だったので78kまで粘る が、
失敗(競り負け)

C案で駄目だったので
Bの仮定費用を 再度伺うと60kぐらい??というお返事
当然図面も組立図も提示せずの価格なので内容を知るともっと追加されるでしょう。
一番はじめ「一番近いたみちゃんに作ってやって」ってお願いしていましたが、
作業スペースの皆無から丁重に断られた。

D案えぇ〜い。今月金無しなので、
マキゾウさんカットを購入して(大工さんの半値)の加工賃で僕が作る事にしました。

 

 


MAKIZOUクラフトからカット済み板材の到着。
思っていたよりコンパクトな荷姿に拍子抜け
しかし、このガムテープ臭い。

開けると中に再度梱包。
中に見覚えのある図面のコピーが!!
オリジナルスピーカー設計術こんスピ見たことないです。

さて、部材のチェック。板番号を確認しながら板取図にマーク。
次は板取図のサイズ通りか確認。MNO(25)の360mmが362mm
板厚による誤差分を是正している模様。材料点数72個

作業スペースの確保。この8年の間物置と化していたサブ・キッチン
約6畳を片付けて使う。濡れ雑巾洗ったり・組み上がった箱をコンロ
で虻って乾かしたり??いやしないしない!!換気扇付きの便利な個室。

形状で整理(番号違いの同じ物もある)胴体部ネック部部材
シナ突き板仕上げなのでここでの汚れは厳禁です。

ヘッド部部材のみR加工が施されています。
メールで確認した画像に比べると見た目綺麗ではありません。
シナアピトンかフィンランドバーチだったのでしょうね(^^;)
ワークinミュージック

音楽なしで作業を進めるのは効率が悪い
と判断してシアタールームからフラミンゴ
にお越し頂きました。

スーパーフラミンゴでは無く
フラミンゴを12mm厚に設計変更して
出来た世界最小のフラミンゴ!!です。
ユニットはフォスFE-88ESです。

音源は重い物を並べるのは時間の無駄と思い、
長男用に取っておいた未使用のマイクロコンポ
(ボーリング大会の景品)を出して来ました。

凄い自然な低音が出てると思ったら、
バスブートが入っていました。
しかし、自然な低音増強効果はすご〜い
ズガ━Σ(゚Д゚ )━ン!


2009年2/28早朝6時から取り掛かり
10時頃パーツ部門を終了。
HP編集して午後より再度取り掛かり
ここまで18時半まで作業して
HP編集して今日は疲れました。
眠いので本日の業務は終わりにします。



 

詳しい図面はこちらです。


 


@ AとBを下駄状に並べ@を上から接合
Cも接合

A Dに@ABCの結合体を接合
Dは正面の板材なので欠けや汚れに注意

B GにEとFを接合アレンジ
(本来EとFはAの結合体に取り付ける部材なのですが、
正面に釘が出てしまうのでGに接合して後ほど重しによって接合します)

C GEFの結合体にHIを接合
木工用ボンドが無くなってしまいましたので、取付け位置を合せて
仮止めをしました。ボンドを塗ってから打つと微妙にずれて、
上下の板がシックリ接合出来ません。

D JにKを接合(昔こんな形の便所の蓋あったな〜)
パーツの組立てはひと段落、これからは本格的な組立てに掛かります。

E ABを接合。この後、中央二箇所コース スレッドで
しっかり締め込みます。そうしないと誤差が
どんどん大きくなって(25)よりLがはみ出してしまいます

F Eで出来た物に底板Oを付けますアレンジこうする事によって
各部材の上下左右の接合面を揃え易くします。もちろん接合する位置に
マーキングして、左右も板を当ててズレを最小に抑えます。

G Fをペアで向かい合わせて
ウエイトを載せてプレスして乾燥を待ちます

H Gの上にDで出来た物を
前後左右のズレが無い様確認しながら接合。

I 左右の側板MNを添えて荷造りテープで締め込んでから、裏板L
の位置を確定して接合する。テープに端材を挟むと更に締め込む可能

J 荷造りテープをずらして底面の板に釘を仮打ちしてから、
テープを外します。
2回目の折返しから3・4回目の折返しと背面吹出し口の様子が伺えます

K 側板MとNを片方ずつ本格的に接合します。
底面以外に釘を打つと見苦しくなるので、上の左右の角の固定は
小口にガンタッカー二発(カネ方向と斜め方向に筋交い)で仮固定。

L 側板をプレスするように積上げてウエイトを載せる と
(先に組上がった物を上にして加重を載せる)接合面から木工用ボンドが
食み出して来るので濡れ雑巾で丁寧に拭取る。胴体部分がほぼ完成


M ネック部分の製作に入ります。
通常PQRSを組立ててから(21)(22)(23)(24)を固定しますが、
ハタガネ不足と工程短縮の為内側から25mmの釘で固定します。

N 今回は先にPSの内側から25mm
の釘で(21)(22)を固定。QRに(23)(24)を固定
(23)(24)の位置はMを両側から挟んで慎重に合わせる。

O これらを接合してハタガネで固定出来た所を両小口に
ガンタッカー(ステープル)を打ち込んで固定。
真ん中辺りが広がるので再度ハタガネで締込み乾燥を待つ。

フラミンゴとの大きさ比較
前日完成した胴体部分に(25)を置いて、ネックを載せてみた

P (25)をOに接合 仮釘で取付け位置を決定して、
65mmのコーススレッド4本で確り固定する。
ココには運搬時に負荷が掛かるので絶対外れない様にします。

Q Pを引っ繰り返して(26)を接合
こちらも同様にコーススレッドで確り固定したかったのですが、
板厚が無いので釘で確り固定(抜け防止にはスクリュー釘がベスト)

いよいよ胴体とネック部分の接合ですが、
接合してしまうと音道内部は見納めなのです。

 R 胴体部分に首を接合。
ロープで締込もうかと考えたが、
有りっ丈のウエイトでプレスして乾燥を待つ。

S いよいよヘッド部分の製作に入る。
(27)に(28)(29)を内側から25mmの釘で接合
(30)に(31)(32)も同様に接合。


(21) これまで完成した本体の上に
Sと(33)を載せてハタガネで固定して乾燥を待つ。
フロントバッフル(34)を貼り付ける箇所に段差が出来るのを嫌って
(35)も同時に接合して段差をなくす。
残るは(34)の加工と(36)飾り板の接合のみとなる。
いやいや、左の接合がもう1セット残ってる(^^;)
ハタガネが右の画像のショボイハタガネ4本のみなので、
翌日か翌々日が間違いないでしょう。
少ないのも苦労しまっせ!!

8年ほど前フラミンゴを作った時には胴体部分に使えなかったので、
15mm設計を12mmに設計変更してこのハタガネで製作。
ハタガネに左右されとります。
しかも、銅製なので締め込んだら撓る撓る
 

(22) (36)飾り板を木工用ボンドのみで接合、
とは言え下の見えない下の小口にガンタッカーでズレ止めしています。
ジワジワとウェイトを載せズレない様にプレスする。

(23) もう1本のヘッドを組んで固定完了後、
こちらも(36)飾り板を同様に接合
いよいよスワン完成寸前です。
(24) フロントバッフル(34)の加工

まずユニット固定用のネジ穴位置をマーキングして穴を開ける。
内側に自作派御用達の鬼爪ナットをかち込むのですが、
正確に固定し難いので僕はユニットを合わせて
ネジをグイグイ締め込んで減り込ませる。

ここで大失敗ヾ(。`Д´。)ノ
上記のように鬼爪ナットを取り付けた後、次の工程に
入ろうとボルトを緩めてユニットを外そうしたら
磁石が鬼爪ナットが当たって外れない。

そう言えば以前も同じ事ような事があったな。
あの時は早く気付き、大き目のペンチで爪を1本切り落として対処。

今回は締付けてしまってから発覚したので、
ディスクサンダーでガリガリ削りました。

(25) フロントバッフル(34)の加工
鬼爪ナットをディスクサンダーで削る。

 (26) Sスワンのユニット裏はとても狭い、これでは
裏側のマイナス波動をプラス波動に変換してより効率良く低音補強する
バックロードの最大の利点を生かし切れない。

そこで自作派の方々は内側をテーパー加工して
リアクリアランスを確り取って音道へのストレスを無くします。

(25) フロントバッフル(34)の接合
(26) スピーカーターミナルと内部配線 
スピーカーターミナルの確認が出来ておらず
仮ユニットのケーブルを引出す穴も開けられない。
故に仮ユニットの取り付け及び試聴が出来ない。

3/8の午前中に要約連絡が取れて、
ターミナルはフォスのT150BかP24B辺りに決定。

スピーカーターミナルの穴位置をマーキングして
一方のみ穴開けして仮ユニットの取り付け、
スピーカーケーブルの引出し、
ミクロンウール1枚(吸音材140mm×120mm)の挿入
我が家の染み付FE108スーパー装着完了。


スピーカーターミナルのT150BとP24Bの違いは何だろう??
サイズが一緒でT150Bが金メッキ、P24Bはロジウムメッキ
メッキの違いで価格差は倍??
ですのでP24Bをお奨めしましたが見た目優先だそうです。
 

(27) 音出しいやぁ〜長岡先生は良く「すぐ音を出すんじゃない!!」
と言っておられたそうですが通電確認と言う事です。

(28) スピーカーターミナルの取付け SP作製依頼者から
スピーカーターミナルが届き内部配線とT150B取り付けた。

(29)接合面の段差を緩和しました。
新アイテム??いやいや買い替え、1.8Kでこの品質言う事なし。
以前使っていた海外製(韓or中)サンドペーパーサンダーが昇天する。
手頃な値段のサンダーが欲しくて物色中に処分がキター━(゚∀゚)━!!

(30) 梱包完了
断衝材を巻いてダンボールでしっかり梱包して、
水濡れ防止にビニール袋を被せて荷造りテープでシッカリ縛る。
持ち運びし易くなっているので、よもやネックを掴んで運ばないでしょう

 

●通電確認と音出し


我が家の現役を引退したショボイ機器で音だしをしました。オンキョーのプリメインアンプとパイオニアのコンパチのセットです。

まず、ここ最近聴き入っているノラ・ジョーンズとアルトサックスの帯域ではフラミンゴのシットリした豊かさが完全勝利。
次に我が家のリファレンス「Flim & the BB'sのTricycle (Gold CD, Limited Edition)」をかけた所、
「スワンってこんな物!!」と侮った矢先に大ハンマーで横殴りズガ━Σ(゚Д゚ )━ン!

フラミンゴには、絶対出ない低音からスネアから明瞭且つ大胆に奏でる。繊細な音の粒立ちもダンチでした。
大好きな3曲目も大音量に負けず繊細さと煌びやかさを確り再現。鳥肌が立ってしまいました。

恐るべしスーパースワン 流石はファン投票堂々一位の風格を垣間見た様に思います。
作製開始から10日位ですが、製作中は狭い部屋で大き目のストーブをつけていたので乾燥は随分進んでいると思われる。
次はシアタールームに持ち込んで、ネッシーと対決したいと思います。
 


通常の釘打ち組立て順序は@からABと番号順に作業すれば良いのですが、
今回依頼者の意向で見える箇所には釘を使わない方法にアレンジしています。

当初依頼者の方から内部は目ネジでと要望されていたのですが、
ほぼ全ての接合部は15mmの小口にコーススレッドは打ち込む事になります。
板材の小口の強度は弱く、締め込む力に耐え切れず破損してしまうので、
絶対無理って断言しました。
コンパネを平行方向に接合するならコーススレッドは威力を発揮しますが、
板の隅と切り口の接合が殆んどなので使えません。

250mmの短いハタガネが数本所持しているだけなので、
ハタガネなしで組上げる工夫をしています。
 

●本格的に試聴●

エイヤーとばかりSスワンを持って2階のシアタールームに移動。
取り敢えずモアイを押し退けてセッティング、ステンのスペンサーで3点支持。(お決まりの左・右・後の真ん中)

ここまで届くケーブルが1本無くてセンターSPから外して村岡実「BAMBOO」
ネッシーと比較しちゃ悪いが、鳴りっぷりが違います。
朗々と鳴るネッシーとはやはりスケール感が違い過ぎて比較出来ません。

マライヤキャリー「#1'S」を掛けながら、センターSPからFE208ESを外して別のケーブルに接続。
SPの後方中央で聴くとフロントよりバックロードのボリュームが勝っているのが良く判ります。
もう少し壁に近づけると盛大に低音をドライブしそうです。
下の狭い作業部屋では、キツかった高音も低音とのマッチングで幾分か気になりませんでした。

Lin Records CD/SACDハイブリッドディスク(オーディオ・アクセサリ誌付録)の
サックス・アルトも好いぞJスカイ・ダンス、ハリーズ・ダンスも繊細且つダイナミック
ノラ・ジョーンズ「not too late」ノラ節を堪能。低音の押し出しも十分
再度村岡実「BAMBOO」「テイクファイブ」「最上川舟歌」尺八や琴の音もリアルに出てる。

解説や表現は昔から苦手なので上手く書けません。

我が家のFE108Sはコーンがヘバっているので、相当に音も影響があると思う。
また晴天の昼間に気持ち良く聴き込む事がとても楽しい日となりました。
 


今回の試聴状況
序でにFE168Eシグマの実質のテストを行う(詳しくは別のページで)

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